共観福音書と言われるマタイ、マルコ、ルカの三福音書において、イエスが「人の子」と安息日の関係について語っている箇所があります。『エレメンツ』第2章と第3章で学んだ単語や文法だけで、だいたい理解できるはずです。
まずは、シンプルバージョンを読んでみてください。そして、それが分かったら、それぞれの福音書に出てくるバージョンを読んで比較してみてください。
シンプルバージョン
ὁ υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου ἐστιν κύριος τοῦ σαββάτου.
- 「ἐστιν」はギリシア語の be 動詞で現在形・三人称・単数。
NTバージョン
κύριος γάρ ἐστιν τοῦ σαββάτου ὁ υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου.(マタイ12:8)
ὥστε κύριός ἐστιν ὁ υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου καὶ τοῦ σαββάτου.(マルコ2:28)
κύριός ἐστιν ὁ υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου τοῦ σαββάτου.(ルカ6:5)
- 「γάρ」は接続詞で、理由(「だから」、「それゆえ」等)を言う際に使われます。文の一番最初に出てこないで、二つ目の言葉になります。
- 「ἐστιν」はギリシア語の be 動詞で、現在形・三人称・単数。
- 「ὥστε」は従属接続詞で、「~が…する/なる目的で」、「~が…する/なるために」等を意味する。
口語訳
人の子は安息日の主である」。(マタイ12:8)
それだから、人の子は、安息日にもまた主なのである」。(マルコ2:28)
また彼らに言われた、[←上では省略されている]「人の子は安息日の主である」。(ルカ6:5)