共観福音書と言われるマタイ、マルコ、ルカの三福音書において、イエスが「人の子」と安息日の関係について語っている箇所があります。『エレメンツ』第2章と第3章で学んだ単語や文法だけで、だいたい理解できるはずです。
まずは、シンプルバージョンを読んでみてください。そして、それが分かったら、それぞれの福音書に出てくるバージョンを読んで比較してみてください。
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ルカによる「クリスマス物語」の続きである。
意味が分からなくても、まず発音を注意しながら一回か二回ルカ2:7を朗読しよう。
καὶ ἔτεκεν τὸν υἱὸν αὐτῆς τὸν πρωτότοκον, καὶ ἐσπαργάνωσεν αὐτὸν καὶ ἀνέκλινεν αὐτὸν ἐν φάτνῃ, διότι οὐκ ἦν αὐτοῖς τόπος ἐν τῷ καταλύματι.
邦訳を参照しながらでも、単語や動詞の形等が分からないと、このような長い文書を読むことはかなり難しいかと思う。そこで、この一節を短い語句に分けて、単語の意味やその文法を確認しながら、段階的に読んでみよう。
(The Nativity, by S. Watanabe; photo taken at Seibo Gakuen)
上の日本語訳を見なくても、その意味を短期記憶に保持することができるまで、繰り返し読んでみよう。
καὶ ἔτεκεν τὸν υἱὸν αὐτῆς τὸν πρωτότοκον
できましたか。では、その続きを見てみよう。
このところも、日本語を見ないで、これらの言葉の意味を考えながら読むことができるまで繰り返し読んでみよう。
καὶ ἐσπαργάνωσεν αὐτὸν καὶ ἀνέκλινεν αὐτὸν ἐν φάτνῃ
それでは、最後の短文を徐々に読んでみよう。
そして、訳を見ないで、ギリシア語をそのまま「理解」することができるまで繰り返し読んでみよう。
διότι οὐκ ἦν αὐτοῖς τόπος ἐν τῷ καταλύματι.
それぞれの語句や短文を充分練習した上で、最後に7節の全文を朗読しよう。
καὶ ἔτεκεν τὸν υἱὸν αὐτῆς τὸν πρωτότοκον, καὶ ἐσπαργάνωσεν αὐτὸν καὶ ἀνέκλινεν αὐτὸν ἐν φάτνῃ, διότι οὐκ ἦν αὐτοῖς τόπος ἐν τῷ καταλύματι.
「クリスマス物語」の箇所を読んでみましょう。ルカによる福音書2章1節です。
Ἐγένετο δὲ ἐν ταῖς ἡμέραις ἐκείναις ἐξῆλθεν δόγμα παρὰ Καίσαρος Αὐγούστου…
〜の上に、上で
御国がきますように。みこころが天に(ἐν οὐρανῷ)行われるとおり、地に(ἐπὶ γῆς)も行われますように。(マタイ6:10)
弟子たちは、イエスが海の上を(ἐπὶ τῆς θαλάσσης)歩いておられるのを見て、幽霊だと言っておじ惑い、恐怖のあまり叫び声をあげた。(マタイ14:26)
「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上で(ἐπὶ γῆς)は、み心にかなう人々に(ἐν ἀνθρώποις)平和があるように」。(ルカ2:14)
ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に(ἐπὶ τοῦ σταυροῦ)かけさせた。それには「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と書いてあった。(ヨハネ 19:19)
〜前に、〜の前で
しかし、人の前で(ἐνώπιον τῶν ἀνθρώπων)わたしを拒む者は、神の使たちの前で拒まれるであろう。(ルカ12:9)